2022年も残すところあとわずかとなりましたね。定本正志です。
さて、年の締めくくりにあたって、今夏、将来放送業界を目指す学生さんのお手伝いをしたときのことをお伝えします。
初夏、Jアナーズに東放学園専門学校の学生からコンタクトがありました。私を指名で「番組の司会をしてほしい」と。東放学園といえば、カメラマンや音響、照明など技術系を中心に、広く放送業界に人材を送り出している専門学校で、このブログを読んでくださっている方の中にも、「知ってる!」という方が多いのではないでしょうか。
指名の理由として、私が東放学園にほど近い明治大学(ともに校舎は東京・杉並区和泉)の卒業生で、かつ後述のとおり、番組の出演者に現役の明大生がいることが理由のひとつとのことでした。
せっかく指名してもらったので、協力は惜しみません! 事前に台本をもらい、収録当日を迎えました。明大前駅から歩いて東放学園に赴くと、校舎内のスタジオや副調整室の機材は、カメラを含め新しいものを取り入れていました。へたをすると、更新時期を迎える地方局よりも設備が整っている印象でした。
そして、プロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクター、美術、カメラマン、音響、照明、スイッチャーなどすべてのパートを、それぞれの学生が担当していました。この番組制作自体が実習なので、先生が立ち合ってはいるものの、助言は最小限でした。
番組名は「栄光への扉」で、内容は東放学園の学生と明大生によるクイズ対決。リハーサルや本番でのスタジオへの私の呼び込みも現場スタッフへの紹介もキビキビと、そして初々しかったです。
聞くと、こういった番組制作実習は数ヶ月に1回行われているとのことで、おおよその大学で年に1度学園祭で行われる番組発表会よりもクオリティが高いものを、高頻度で出し続けるカリキュラムに、文字どおり放送の“専門”学校としての底力を感じました。
お手伝いをしてから季節は進みましたが、道すがらのセミの鳴き声と、学生たちのキラキラした瞳の輝きは、今でも私の脳裏に焼き付いています。そして、私自身に初心を思い起こさせてくれる貴重な機会となりました。次は、社会人となった皆さんに、どこかの現場で再会できることを願っています。